Close-up 「足」を理解する
「足」の機能変化と身体運動
木下 和昭
1
Kazuaki KINOSHITA
1
1四條畷学園大学リハビリテーション学部理学療法学専攻
キーワード:
足部
,
形状
,
機能
,
姿勢
,
筋活動
Keyword:
足部
,
形状
,
機能
,
姿勢
,
筋活動
pp.689-693
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202343
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はじめに
足部は直立二足移動での唯一の土台となり,その形状を変化させることで衝撃吸収と推進力という相反する機能を生み出す.特に後足部の回内外は,足部自体の剛性を変化させ,その関節運動は隣接する関節へと運動を連鎖させる.そのため,足部の機能変化は下肢・体幹アライメントに影響を及ぼし,異常動作や疼痛発生の原因となる.諸家の報告によると外反母趾の対象者は,約4割に下肢変形性関節症を合併していること1,2)や扁平足が重度になると腰痛や膝痛の発生率が向上すること3),動作時の足アーチの過剰な低下が下肢のoveruse障害と関係していること4,5),足アーチ高が下肢筋のスティフネスと関係していること6)など,多くの研究で足の形状変化と身体に与える影響について報告されている.これら必要な運動戦略と足部機能の不一致が上位の膝関節や股関節・体幹にメカニカルストレスを加えると考えられる.本稿では足の形状変化と身体運動との関係を中心に概説する.
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