ひろば
伊藤直榮先生と私
真寿田 三葉
1
Miha Masuda
1
1リバーサイドメンタルクリニック
pp.103-104
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201435
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日本の理学療法を立ち上げ,肺理学療法のパイオニアとして活躍し,優れた臨床家そして教育者としても知られた伊藤直榮教授が2009年に亡くなられてから今年で10年が経とうとしている.
伊藤先生は1933年に生まれ,76歳でこの世を去るまで第一線で活躍し続けた1).日本だけでなくカナダの理学療法士のライセンスを取得し,トロントでは5年間研鑽を積んだ.この間,独自に「呼吸介助手技」を開発した.帰国後,信州大学医療技術短期大学部理学療法学科教授,茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科教授と同大学附属病院リハビリテーション部長,日本工学院専門学校医療学部長として,臨床,教育に携わり続けた.臨床家として,術後の肺合併症によって亡くなる患者を救うため,周術期の肺理学療法を始め,同時にこの技術の伝達のため,実習主体の講習会を数多く開催した.伊藤先生は多くを語らない寡黙な方であったが,いつもにこにこと楽しそうに仕事をされていた.
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