卒業論文のひろば
足部回内外可動域および筋力と歩行時の下肢運動の関係—足部の安定性を補償する下肢の運動戦略
林 莉子
1
,
西宮 亜樹
1
,
本間 光貴
1
,
菅野 有里絵
1
,
西小野 海斗
1
,
江戸 優裕
1
,
望月 久
1
1文京学院大学保健医療技術部理学療法学科
pp.272-276
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201152
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要旨 【目的】足部回内外可動域および筋力と歩行時の下肢運動との関係を明らかにすることである.【対象】健常若年者18名とした.【方法】角度計と徒手筋力計を用いて足部回内外可動域・筋力を計測し,三次元動作解析装置と床反力計を用いて歩行時の下肢関節角度・内部モーメントを計測した.【結果】足部回内可動域が大きいほど,立脚期に股関節は伸展モーメントが大きく,膝関節は伸展位かつ伸展モーメントが小さく,足関節は回外位かつ底屈モーメントが大きかった.回内・回外筋力が大きいほど,足関節は回内位にあった.【考察】回内可動域が大きい足部は剛性が低いため,補完的に下肢関節を締まりの肢位にしており,回内外筋力が大きい足部は筋により安定性を保てるため,足部を緩みの肢位にして立脚していると推察した.すなわち,足部の安定性を補償するように歩行時の下肢関節運動が生じることが示唆された.
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