講座 理学療法における標準(値)・4
下肢関節可動域
阿部 敏彦
1
,
西原 正
1
,
土居 泰美
1
,
宮内 博雄
1
,
薦田 昭宏
1
,
濵口 真幸
1
,
吉田 修
1
,
中澤 威一郎
1
Abe Toshihiko
1
1海里マリン病院リハビリテーション科
pp.775-782
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105162
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はじめに
関節可動域(以下ROM)1-14)は,疾患を有するか否かを問わず個々人により異なり,年齢や性別その他の要因によって影響を受ける.各関節のROM平均値は,アメリカ整形外科学会の方法15)を基に日本でも日本リハビリテーション医学会ならびに日本整形外科学会16,17)によりその詳細が規定されている.ROM計測に際しては,いかなる目的に利用されようとも,信頼性(測定-再測定および検者間)と妥当性18-27)を加味して行われなければ,その評価価値は低下してしまう.
本論文においては理学療法における下肢ROMの標準(値)について検討する上で,概略ではあるが生理的(正常)最終域感(End-feel),下肢ROMと日常生活動作(ADL)との関連,自験例として関節炎疾患患者を対象としたROM実測値の提示と各関節機能評価におけるROMの位置づけを述べる.
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