短報
股関節外転筋筋力と骨盤の安定性に関する―考察
武富 由雄
1
,
村木 敏明
1
,
櫛辺 夕子
2
,
吉田 友紀
2
,
満田 基温
2
1神戸大学医療技術短期大学部
2川崎病院整形外科
pp.65-66
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103192
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Ⅰ.初めに
片側股関節外転筋の筋力測定と筋力増強運動に際して,骨盤挙上筋(腰方形筋や広背筋)による骨盤の引き上げの代償運動がしばしば臨床上みられ,的確な股関節外転筋筋力を惹起させることの困難なことが多い.そのため股関節外転筋の張力を両側同時に測定することのできる股関節外転筋力測定装置(張力検出器およびひずみ増幅器)がすでに考察・製作され1),股関節外転筋の筋力測定と筋力増強運動に有用なことが示されている2).
そこで今回,股関節外転運動の際,骨盤水平位の安定性に影響を及ぼす下肢の固定・非固定の差,そして股関節外転筋筋力の測定と筋力増強運動の関係をより客観的・定量的に明らかにすべく,筋力測定装置「リハメイト」(川崎重工:R-130)を使用し,変形性股関節症患者(以下,OA群.)および対照群として健常者(以下,健常群.)に対して股関節外転筋の筋力を測定し比較,検討した.
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