Japanese
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研究と報告
片麻痺歩行の安定性に関する定量的評価方法について
Quantitative Evaluation on Stability in the Hemiplegic Gait.
窪田 俊夫
1
,
山口 恒弘
1
,
中川 武夫
1
,
山崎 信寿
2
,
森 健一郎
3
Toshio Kubota
1
,
Tsunehiro Yamaguchi
1
,
Takeo Nakagawa
1
,
Nobutoshi Yamazaki
2
,
Kenichiro Mori
3
1中伊豆リハビリテーションセンター
2慶応義塾大学理工学部
3(株)共和電業
1Nakaizu Rehabilitation Center.
2Faculty of Science and Technology, Keio University.
3Kyowa Electronic Instruments Co, Ltd.
キーワード:
安定性
,
定量的評価
Keyword:
安定性
,
定量的評価
pp.123-128
発行日 1986年2月10日
Published Date 1986/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105544
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まえがき
片麻痺の歩行能力の中で,もっとも基本的なものは,安定性に関する能力である.すなわち片麻痺患者は安定した歩行能力を身につけることによって,先ず歩行が自立する道が開かれ,ついで様々な応用性のある歩行能力の獲得へと進むことが可能となる.
ところで日常の臨床において,この安定性に関する評価は,検者の主観的判断に依存しているのが通例で,客観的な指標はほとんど用いられていないのが現状であろう.このことは主観的判断とはいうものの,多くの要素を短時間で,総合的に捉え得るパターン認識の能力に支えられている視覚的評価が,臨床の場では十分実用性があることと,定量的指標に対する一般のニーズがあまり大きくはないことに起因している様に思われる.
しかし異常歩行の重症度の判定,その回復過程の追跡,治療法の選択,治療効果の判定などの評価を積極的にすすめていく場合には,当然のことながら信頼性のある客観的指標が必要になってくる.
そこで著者らは安定性の視覚的評価の基盤となっている身体各部の空間的位置の時間的変化が,身体重心位置の時間的変化に反映されていることに着目し,このことを加速度計で検出する方法を用いて片麻痺歩行の安全性に関する定量的評価を行い,その妥当性を検討することにした.
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