Japanese
English
症例報告
母趾種子骨の疲労骨折による疼痛に対し結合組織の柔軟性改善が有効であった1症例
Successful management of pain due to stress fracture of a great toe sesamoid bone by improvement of connective tissue tenderness:A case report
上川 慎太郎
1
,
岡西 尚人
1
,
加藤 哲弘
1
Shintaro Uekawa
1
1平針かとう整形外科
キーワード:
母趾種子骨疲労骨折
,
短母趾屈筋
,
疎性結合組織
Keyword:
母趾種子骨疲労骨折
,
短母趾屈筋
,
疎性結合組織
pp.715-719
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200954
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要旨 本邦における母趾種子骨疲労骨折についての報告の多くは,手術方法や足底挿板療法に関するものが多く,われわれが渉猟した限り運動療法に関する報告は認めない.今回,母趾内側種子骨の疲労骨折が原因で歩行時痛が出現した症例を経験した.超音波画像診断装置を用いた評価を参考に運動療法を行い,良好な治療成績が得られた.母趾内側種子骨は第一中足骨頭底側部にあり,短母趾屈筋内側頭が内側種子骨を足底から覆うように走行する.母趾内側種子骨と短母趾屈筋,第一中足骨に囲まれた領域には疎性結合組織が存在し,母趾の屈伸に伴いその形状を柔軟に変化させながら,種子骨の移動を円滑にさせている.本症例は疎性結合組織の拘縮により種子骨の可動範囲が制限され,疼痛を惹起させていたと推察した.
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