Japanese
English
症例報告
膝関節最終伸展時の膝蓋骨上部の疼痛に対して膝蓋上脂肪体の柔軟性改善が有効であった一症例
A case in which the flexibility of suprapatellar fat pad was effective for pain at the upper part of the patella during the final extension of the knee joint
岡西 尚人
1
,
上川 慎太郎
1
,
加藤 哲弘
2
Hisato Okanishi
1
1平針かとう整形外科リハビリテーション科
2平針かとう整形外科
キーワード:
膝関節伸展制限
,
膝蓋上脂肪体
,
超音波画像診断装置
Keyword:
膝関節伸展制限
,
膝蓋上脂肪体
,
超音波画像診断装置
pp.405-409
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201523
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要旨 膝関節周辺には,大腿前脂肪体,膝蓋上脂肪体,膝蓋下脂肪体などがあり,膝関節運動時における筋腱と周囲組織との摩擦の緩衝に寄与している.膝蓋上脂肪体の動態については,屈曲時に関しての報告はあるが伸展時に関しては散見されない.今回われわれは,外側半月板損傷後の膝関節可動域練習中における最終伸展時に,膝蓋骨上部に疼痛が出現した症例を治療した.超音波画像診断装置を用いて観察すると,健側の膝関節最終伸展時では,四頭筋腱下縁と膝蓋骨底の間が広がり,生じた隙間に膝蓋上脂肪体が移動していた.一方患側は,四頭筋腱下縁と膝蓋骨底の拡がりが乏しい状態で膝蓋上脂肪体が移動しようとしていた.運動療法として,四頭筋腱の持ち上げ操作を実施し,疼痛は消失して完全伸展が可能となった.本症例の治療経過を通じて,膝蓋上脂肪体の動態異常による膝伸展時痛と伸展可動域制限の可能性について言及した.
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