紹介
在宅ケアを支える理学療法士・作業療法士の育成事業—大阪府立大学における卒後教育プログラムの取り組み
中田 伊知子
1
,
樋口 由美
1
,
藤堂 恵美子
1
,
淵岡 聡
1
,
日垣 一男
1
,
吉田 幸恵
1
,
奥田 邦晴
1
,
高畑 進一
1
Ichiko Nakada
1
1大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科
pp.720-723
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200955
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はじめに
本邦では団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて,地域包括ケアシステムの構築が推進されている.そのなかで,理学療法士,作業療法士には,医療と介護の連携を促進し,高齢者の生活機能の維持・改善を支援する役割が期待されている1).しかしながら,理学療法士および作業療法士の卒前教育に「地域」が盛り込まれたのは,1999年の理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則2)改正以降であり,現在も地域理学療法学および地域作業療法学は4単位に過ぎない.また訪問リハビリテーションにかかわる理学療法士・作業療法士の87.6%が卒前卒後の訪問リハビリテーション教育の環境整備が重要だと感じており3),社会ニーズに応えるためには,教育プログラムを再構築する必要がある.
そこで大阪府立大学(以下,本学)では,2014年度から課題解決型高度医療人材養成プログラム4)として「在宅ケアを支えるリハビリ専門職の育成—医療と在宅ケアの連携を推進する人材育成プログラム」を開始した.本事業は,地域包括ケアシステムで活躍できる理学療法士・作業療法士の育成をめざし,学士課程の学生および現職者を対象とした2つの教育プログラムから構成されている.ここでは,現職者を対象として開講した「地域リハビリテーション学コース」について紹介する.
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