発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009224980
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1997~2008年に両足の単純X線撮影を行った1391例(男529例・平均年齢38.5歳、女862例・平均年齢46.6歳)を対象に母趾種子骨の形態的検査を行った。種子骨の発育について調べた結果、男児・女児ではそれぞれ8歳・10歳から骨化が始まり、14歳・11歳で完成した。分裂種子骨の発生率は男性の25%で、10~19歳40%、20~29歳30%、50~59歳11%と若年層で発生率が高く、10~49歳と50歳以上群間に有意差を認め、女性は20%で30~39歳が33%と10~19歳の24%より高値であった。分裂の位置は脛骨側(内側)が男女共、どの年齢においても有意に多く、重複分裂は脛骨に多く発生し10~19歳が最も高かった。欠損種子骨は男女共に有意に脛骨側種子骨に多く、発生率は男性2%、女性4%で有意差は認めなかった。通常の種子骨より小さいものに長径が通常種子骨の半分以下のものを含めた低形成種子骨の発生率は男性4%、女子3%で脛骨側での発生が有意に高かった。以上より母趾骨頭の構造上回転軸が内側に傾いているため脛骨側種子骨に荷重がかかり、種子骨障害が生じると考えた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009