特集 疲労骨折の病態と治療
Ⅱ 各論
下肢
母趾種子骨疲労骨折
橋本 健史
1
1慶應義塾大学スポーツ医学研究センター
キーワード:
母趾(hallux)
,
種子骨(sesamoid)
,
疲労骨折(stress fracture)
,
病態(pathology)
,
治療(treatment)
Keyword:
母趾(hallux)
,
種子骨(sesamoid)
,
疲労骨折(stress fracture)
,
病態(pathology)
,
治療(treatment)
pp.174-180
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000001179
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
・母趾種子骨疲労骨折は,ダンス,ジョギングなどの母趾中足基節骨間関節付近に負荷のかかるスポーツに多く発生する。
・診断は正面,斜位の単純X線所見,CTおよびエコー検査が有用である。
・優先されるべき治療は,保存治療である。足底装具,母趾背屈を抑制するシーネ固定,踵荷重による前足部の免荷を3〜6カ月程度行う。保存治療でも疼痛が残存する例では手術が選択される。
・手術方法は,種子骨摘出術と種子骨内固定術がある。種子骨摘出術は早期のスポーツ復帰が可能である。種子骨内固定術は骨癒合までに長期間を要するが,種子骨のレバーアームとしての機能を保持できる利点がある。
・骨折線が矢状面であるときは内固定術の実施は難しい。アスリートとよく話し合って治療法を決定するべきである。
Copyright © 2022, MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.