特集 ICUにおける理学療法
NICUにおける簡易シーティングシステムの開発
田代 千恵美
1
,
前田 真治
1
,
芝原 美由紀
2
Tashiro Chiemi
1
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
2北里大学病院リハビリテーション部
pp.108-112
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105489
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1.はじめに
痙性四肢麻痺を呈する脳性麻痺児をはじめとする障害児の介護を行う際に,異常肢位や筋緊張の異常によって日常生活に必要な姿勢を安定して保持できないことがしばしば発生する.小児の安定した姿勢を保持し,更に異常姿勢を矯正して日常生活を送ることは,小児の頻回の体位変換や姿勢保持などに費やす介護量の軽減になる.またそのことが,小児の脊柱の側弯や種々の四肢の変形の予防にもつながる.
近年,シーティングシステムの進歩は目覚ましく,種々の機器が出回っている.しかし,通常のシーティングシステムを病棟や家庭,通園施設や学校などで使用するには大きすぎ,かつ重量があって携帯するのは非常に困難である.更に,その機器を作製するのに数か月もの長期間を要する.そのため,小児の成長をはじめとして多種の問題が発生してくる.
そこで,NICUにおいて早期に障害児の変形を予防し,かつ介護量を軽減する目的で,携帯が可能で汎用性に富むシーティングシステムの開発を試みたので報告する.
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