入門講座 筋力と身体諸機能・1
呼吸循環器疾患に対する骨格筋筋力トレーニング
山﨑 裕司
1
Yamasaki Hiroshi
1
1聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
pp.687-692
発行日 1998年9月15日
Published Date 1998/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105137
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Ⅰ.はじめに
呼吸循環器疾患患者の主な運動制度因子は酸素搬送系の障害にある.しかし,同時に息切れ,易疲労,呼吸苦などの症状は身体活動量を制限し,必然的に廃用性の骨格筋筋力低下を生じさせる.一方,これまで筋力トレーニングは循環器系に対するリスクの高さから,呼吸循環器疾患の運動療法に処方される機会は少なかった.したがって,この分野における筋力トレーニングの方法論や安全性,効果については,未だ十分に知られていない.
本稿では,まず呼吸循環器疾患患者に対する筋力トレーニングの必要性について述べ,次に筋力トレーニングの安全性と利点および効果について,筆者らの成績をもとに概説する.
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