特集 脳のシステム障害と理学療法
線条体の障害と理学療法
高倉 保幸
1
Yasuyuki Takakura
1
1埼玉医科大学保健医療学部理学療法学科
pp.27-31
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104172
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線条体の機能解剖
1.線条体と大脳基底核
被殻と尾状核を合わせて線条体と言う.両者は発生学的には同一の細胞群からなるが,内包によって隔てられ(図1),互いに灰白質の線条の連絡で結ばれていることから線条体と呼ばれる(図2).線条体は,新線条体(または背側線条体)と腹側線条体に区分されるが,単に線条体と言った場合には一般的には新線条体のことを指し,本稿でも新線条体について解説する.
大脳基底核は,臨床的には線条体(尾状核,被殻)と淡蒼球を指すことが多いが,厳密には機能的に関連の深い黒質,視床下核が含まれる.したがって,線条体のシステム障害を考える際には大脳基底核の機能を考慮する必要がある.
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