Japanese
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特集 線条体:発生・解剖,生理,病態
線条体:発生と解剖
Histogenesis and Intrinsic Organization of the Neostriatum
岩堀 修明
1
Nobuharu Iwahori
1
1長崎大学医学部第一解剖
1Department of Anatomy, Nagasaki University School of Medicine
キーワード:
neostriatum
,
mosaic structure
,
histogenesis
,
neuronal organization
,
afferent fibers
Keyword:
neostriatum
,
mosaic structure
,
histogenesis
,
neuronal organization
,
afferent fibers
pp.713-721
発行日 1994年8月1日
Published Date 1994/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900666
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はじめに
線条体については,近年いろいろな事実が解明されている。なかでも一番大きな事実は,新線条体(neos—triatum)がモザイク構造(mosaic structure)をしていることが明らかになったことであろう。新線条体は長い間,主に中等大の細胞よりなる,均等な構造をした神経核であると考えられてきた1〜3)。しかしながら,細胞構築学的に,新線条体の細胞は,均等に分布しているわけではなく,いくつかの細胞集団を形成していること4〜6),また線維構築学的には,dopamine作動性線維は均等に分布しているのではなく,dopamine islandsを形成していることが明らかになった7〜10)。さらに,組織化学的性状や線維連絡の詳細が解明されるにしたがい,新線条体は,patchとmatrixよりなるモザイク構造をしていることが分かってきた。組織化学的にみると,成体では,patchにはopiate receptorが多く,substance Pやenke—phalinに対する免疫反応が強いのに対し,matrixには,neurotensin receptorが多く,acetylcholineste—raseやsomatostatinに対する免疫反応が強い。線維連絡の面からは,patchとmatrixは,異なった入力を受けており,投射領域も異なっている。
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