特集 脳のシステム障害と理学療法
視床・頭頂葉系の障害と理学療法
網本 和
1
,
渡辺 学
2
Kazu Amimoto
1
1首都大学東京人間健康科学研究科
2北里大学北里研究所メディカルセンター病院
pp.19-26
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104170
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視床・頭頂葉系の機能解剖
視床は間脳に位置する神経核群で視床内髄板によって前核群,内側核群,外側核群に大別され,さらに12の核から構成されている.視床は感覚系の中継中枢として知られているが,個々の神経核は同側の大脳皮質に投射し,またその部位からの相互の線維連絡を受けることが知られている(図1)1).
Schmahmann2)は,視床の機能を,網様核・髄板内核による注意覚醒系,前核群の辺縁系,後内側腹側核(ventral posteromedial nucleus of thalamus:VPM)・後外側腹側核(ventral posterolateral nucleus of thalamus:VPL)・外側(lateral geniculate body:LGB)および内側膝状体(medial geniculate body:MGB)などの特殊感覚系,前腹側核(anteroventral thalamic nucleusa:AV)・外側腹側核(ventrolateral thalamic nucleus:VL)などの運動系,後外側核(lateral posterior nucleus of thalamus:LP)・背側内側核(mediodorsal thalamic nucleus:MD)・視床枕(Pulvinar)などの連合系の5系に分類している.
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