Japanese
English
特集 線条体:発生・解剖,生理,病態
線条体:病態—臨床
Striatum:Clinical Aspects
大江 千廣
1
Chihiro Ohye
1
1群馬大学医学部脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Gunma University School of Medicine
キーワード:
caudate nucleus
,
putamen
,
chorea
,
dystonia
,
higher nervous function
Keyword:
caudate nucleus
,
putamen
,
chorea
,
dystonia
,
higher nervous function
pp.731-737
発行日 1994年8月1日
Published Date 1994/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900668
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I.諸言
人間の線条体(尾状核と被殻)に病変が生じるとどのような臨床像を呈する疾患がみられるのか?この問題に正確に答えられるかどうかは分からないが,できるだけそれに近い答を出すべく,最近の線条体に関する研究の進歩をふまえて考えてみたい。
線条体の病変としては,直接,間接の変性疾患,血管障害,腫瘍,感染,中毒などがあげられるが,これらは多くの場合,線条体に限局した固有の病変としてよりも線条体に連なる淡蒼球,視床下核などを含む神経回路,あるいは隣接する内包も含めた病変として捉える方が理解しやすいように思われる。少なくとも機能的にはこれらを総合した大脳基底核の病変とみられるものが多い。したがって,必ずしも線条体に限局しない病変も含まれてくるのは止むを得ないであろう。
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