特集 運動学習と理学療法
脳障害と運動学習
長谷 公隆
1
Kimitaka Hase
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
pp.37-44
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102165
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
中枢神経疾患に対する運動療法の目標は,感覚―運動統合を促して運動制御能力を高め,患者のパフォーマンスを最適化することにある.その治療成果は,課題の難易度を調整し,患者が利用できるフィードバック(以下,FB)を駆使して,運動スキルを再構築する過程を推し進める運動学習によってもたらされる.「顕在記憶と手続き記憶をいかにして操作するか」がニューロリハビリテーションにおけるパラダイムシフトのひとつとして位置づけられており1),感覚―運動統合を高めるためには,どのようなFBを呈示して行くべきかが検証されつつある.本稿では,運動学習を司る神経機構を概説しながら,運動制御に問題を生じた患者に運動スキルを習得させていくために利用できる運動学習の方法について述べる.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.