Japanese
English
講座 運動学習理論・3
脳卒中
Motor learning for stroke rehabilitation.
長谷 公隆
1
Kimitaka Hase
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
脳卒中
,
運動学習
,
フィードバック
Keyword:
脳卒中
,
運動学習
,
フィードバック
pp.649-655
発行日 2010年7月10日
Published Date 2010/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101808
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はじめに
リハビリテーションにおける運動療法では,運動パフォーマンスを最適化するために,障害の程度に応じた運動制御法の習得を図る過程がある.例えば,麻痺した下肢を使って歩くために,歩行補助具を用いて難易度を調整し,歩行訓練の反復によって歩行様式を最適化するというリハビリテーション治療の展開は,運動学習に基づいて実施されている.特に脳卒中では,代償的な運動制御の習得によって生活を自立させなくてはならない場合が多く,かつ運動学習に関わる神経機構が障害されている可能性もあることから,運動学習をどのように展開したかによってその治療効果は左右されるであろう.また,学習は脳の可塑的変化を導く有力な手段であることからも,損傷を受けた脳の機能回復に果たす運動学習の役割がクローズアップされている.
本稿では,脳卒中のリハビリテーション治療において運動学習を施すための知見とその効果について,最近の臨床試験の成果を含めて解説する.
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