特集 認知症と理学療法
認知症高齢者のADLとケア
諏訪 さゆり
1
,
島村 敦子
1
,
飯田 貴映子
1
Sayuri Suwa
1
1千葉大学大学院看護学研究科訪問看護学教育研究分野
pp.837-843
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102082
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認知症高齢者に出現するさまざまな認知機能障害
世界保健機関(WHO)の国際疾病分類において,認知症は「脳疾患による症候群であり,通常は慢性あるいは進行性で,記憶,思考,見当識,理解,計算,学習能力,言語,判断を含む多数の高次皮質機能障害を示す.意識障害はない.認知障害は通常,情動の制御,社会行動あるいは動機づけの低下を伴うが,場合によってはそれらが先行することもある.この症候群はアルツハイマー病,脳血管疾患,そして,一次性あるいは二次性に脳を障害する他の病態で出現する」と定義されている1).
認知症の原因疾患として様々なものがあるが,非可逆性の認知症の中でも多数の患者が罹患しているのは,アルツハイマー型認知症,脳血管性認知症,レビー小体型認知症である.これらは三大認知症と言われ,認知症の原因疾患によって病態と障害される部位が異なるので,三大認知症では症状とその経過に表1に示した特徴が現れる.
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