Japanese
English
実践報告
認知症高齢者における手段的ADLの財布動作の特徴に関する検討
A study on the features of wallet movement of Instrumental ADL in the peoples with dementia.
澤田 知美
1
,
仙波 梨沙
2
,
久保 温子
3
,
八谷 瑞紀
3
,
上城 憲司
3
Tomomi Sawada
1
,
Risa Senba
2
,
Atsuko Kubo
3
,
Mizuki Hachiya
3
,
Kenji Kamijo
3
1独立行政法人国立病院機構大牟田病院
2佐賀大学医学部附属病院先進総合機能回復センター
3西九州大学リハビリテーション学部
キーワード:
認知症高齢者
,
手段的ADL
,
財布動作
Keyword:
認知症高齢者
,
手段的ADL
,
財布動作
pp.285-289
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200361
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要旨 本研究では,財布動作におけるお金の取り出し方を分析し,地域在住高齢者(以下,健常者)と認知症高齢者の違いについて検討することを目的とした。評価は,認知機能検査と財布動作検査を実施した。財布動作検査は,実施時間と札と小銭の取り出し方,小銭の取り出し方,つまみ方,正確さ,説明理解の5点についてビデオ解析を行った。健常群(40名)と認知症群(29名)の各測定値を比較した結果,年齢,認知機能,財布動作時間(財布からお金をとり出す時間)に有意差が認められた。また,財布動作のビデオ解析の結果,認知症群の特徴として,① お金の取り出し方として,札を出さず,小銭のみで指定された金額を出す,② 小銭の取り出し方として,一度机に広げて選ぶ,③ つまみ方として,3指でつまんだ後に再確認する,④ 正確さとして課題が不正解,⑤ 説明理解として再三の指示が必要,などが健常群よりも多かった。これらの財布動作能力の低下によって,認知症高齢者の財布に小銭がたまりやすいという現象が起こるのではないかと推察した。
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