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巻頭言
あらためて認知症ケアの倫理を考える
Considering Anew the Ethics of Dementia Care
諏訪 さゆり
1
Sayuri Suwa
1
1千葉大学大学院看護学研究科
1Graduate School of Nursing, Chiba University
pp.3-4
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
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筆者は最近,越智須美子氏と認知症の人の人権,倫理についてお話しする機会を得た.越智須美子氏は2004年10月17日,京都で開催された国際アルツハイマー協会国際会議において,わが国で初めて認知症の当事者としてご自身の経験や思いを講演という形で語られた越智俊二氏の奥さまである.国際会議の会場で,あるいはニュース等で,俊二氏の語りに聞き入り,勇気づけられ,多くの学びを得た人は多い.筆者もそのひとりである.
俊二氏は47歳のころ物忘れの症状が始まり,その後54歳でアルツハイマー型認知症の告知を受ける.62歳で逝去されるまで,俊二氏と須美子氏,そしてお子さんたちはさまざまな困難に直面しては乗り越えてきたという(越智須美子,2015).俊二氏の語りから10年余.このたびは須美子氏の語りから,認知症ケアの倫理にまつわる老年看護学の課題についてたくさんのことを気づかせていただいた.ここでは,そのいくつかをみなさまにお伝えしたいと思う.
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