特集 脳卒中片麻痺患者の装具と運動療法
TAPSによる脳卒中片麻痺の装具療法とその効果
横田 元実
1
,
金田 嘉清
1
,
才藤 栄一
2
Motomi Yokota
1
1藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科
2藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座
pp.225-231
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101896
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はじめに
脳卒中片麻痺をはじめとする麻痺性疾患における下肢装具の目的は,下肢装具を用いて運動の自由度を残存機能でコントロール可能な程度に調整し,運動を単純化することにある1).
ヒトの下肢は一側7自由度(股関節3+膝関節1+足部3)あり,この大きな自由度を優れた神経系が制御することによって随意性の高い,効率のよい運動が可能となっている.しかし,随意性が低くなった麻痺肢では,高い自由度のコントロールが困難となり,動作不安定や運動困難という問題を呈する.そこで,装具を用いて麻痺肢の自由度を制約し運動を単純化することで,効率やレパートリーの多様性をある程度犠牲にしても安全で再現性の高い運動を可能にする必要がある2).
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