特集 呼吸機能障害とチーム医療
急性期病院における呼吸ケアチーム医療と理学療法士の役割
鵜澤 吉宏
1
Yoshihiro Uzawa
1
1医療法人鉄蕉会亀田総合病院リハビリテーション室
pp.461-468
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101679
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はじめに
平成22(2010)年度の診療報酬の改定では,チーム医療の評価がされており,その中に人工呼吸器装着患者に対して多職種から構成されるチームによる計画的な治療への取り組みに対する診療報酬が新設される状況となった.このチームの一員として理学療法士が必須とされている.対象は一般病棟で人工呼吸療法が必要な患者であるが,Scheinhornらによると,ICU退室後も人工呼吸器装着が必要な症例のうち,約85%は理学療法を継続し呼吸器離脱や身体機能回復を図っている状況が報告されており1),今後はこの分野の充実と発展に期待と責任が生じると考える.
チームの名称として呼吸ケアチームの呼称が一般的であるようだが,施設により「呼吸療法サポートチーム」など名称は様々である2).チームの定義付けとして,多職種で構成され,施設内で横断的に呼吸ケアを行うチーム3)とされ,活動内容は施設内職員教育,人工呼吸器装着患者の回診,マニュアルやチェックリストの作成など,診療支援から教育,安全管理などに関する内容と多岐にわたっている4).呼吸ケアチームの構成職種では,医師,看護師,理学療法士,臨床工学技士が中心となっている施設が多く,これらに続いて歯科衛生士,薬剤師,栄養士という職種となっている3,5,6).しかし,チーム体制は,その施設ごとで対象とする疾患の特徴やヒューマンリソースの違いがあり,形式や介入程度が異なっている現状がある.
ここでは,当院での活動経験や他施設の報告などからの情報を踏まえ,呼吸ケアチームと理学療法士の役割などについて述べる.
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