特集 呼吸機能障害とチーム医療
呼吸機能障害における諸問題とチーム医療のあり方
蝶名林 直彦
1
Chohnabayashi Naohiko
1
1聖路加国際病院呼吸器内科
pp.451-459
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101678
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はじめに
急性の呼吸機能障害は,進行するとたちまち生命を脅かす重大な病態に至るため,機能障害の原因となった疾病の回復に至る期間,生体を維持すべく酸素療法や人工呼吸器療法などの治療法が存在している.人工呼吸管理中のケアについては,全身管理の面からも医師・看護師・臨床工学技士・理学療法士(以下,PT)などチーム医療での対応が不可欠である.その急性期には多くの情報とそれに対する適切な判断が迅速に行われねばならず,PTの関わるべき事柄も増加する.
今春,診療報酬改定で「呼吸ケアチーム(RST)での加算」が認定され,その適用の条件として「PTも加わり呼吸ケアに当たること」が必須とされている(表1).
チーム医療の関わり方は人工呼吸管理に至る病態の違い,疾患ごとに異なる.本稿では,なかでも代表的疾患である急性呼吸窮迫症候群(ARDS),慢性閉塞性肺疾患(COPD),および神経筋疾患への理学療法を主とした関わり,さらにweaningから在宅までの回復期の流れなどについて具体的に解説する.
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