講座 ガイドライン・3
頚椎症性脊髄症診療ガイドライン
里見 和彦
1
,
佐野 秀仁
1
,
高橋 雅人
1
,
長谷川 雅一
1
,
市村 正一
1
Satomi Kazuhiko
1
1杏林大学医学部整形外科
pp.543-549
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101436
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はじめに
頚椎の経年的変化(骨棘形成,靱帯肥厚,椎間板狭小と膨隆など)により脊髄が圧迫され,四肢のしびれや筋力低下,歩行障害,排尿障害などを呈する頚椎症性脊髄症(cervical spondylotic myelopathy:以下,CSM)は,高齢化社会を迎えて増加している.その保存療法あるいは術後療法としては,頚椎牽引,理学療法士による筋力増強運動,歩行練習,日常生活動作練習や作業療法士による手指のトレーニングなどが行われている.
日本整形外科学会では,CSMの病態,診断から治療まで一般に行われている事柄1)が,質の高い新しい医療情報(EBM:evidence based medicine)に基づいているのかを検証するために,2005年に診療ガイドラインを策定した2).本稿では,ガイドラインの目的,意義などを含め,本ガイドラインの内容,問題点などを解説する.
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