認定医講座
頸椎症性脊髄症
小田 裕胤
1
1山口大学医学部整形外科
pp.1061-1067
発行日 1989年9月25日
Published Date 1989/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908186
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はじめに
頸椎の椎間板変性が基盤となり,二次的に頸椎の椎体および周辺組織に生じた加齢的変化により脊柱管内や椎間孔部において,脊髄や神経根が圧迫され,症状を来した疾患が頸椎症である.本症はさらに脊髄に対する圧迫症状を主とする脊髄症と,神経根の圧迫・刺激症状を呈する神経根症とに分けられる.この両者は臨床症状にそれぞれ特徴を有しており,治療法,予後にも差異を認めることからその診断には特に注意を要するといえる.
本稿では頸椎症の中でも一般に臨床的に重篤で予後も不良例が多い脊髄症の病態と治療について述べる.
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