書評
―嶋田智明・大峯三郎(編)―「実践MOOK・理学療法プラクティスこれだけは知っておきたい脳卒中の障害・病態とその理学療法アプローチ」
小野 武也
1
1県立広島大学大学院総合学術研究科保健福祉学専攻
pp.676
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101232
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理学療法の対象で最も多いのは脳卒中患者である.当然のことながら,多くの新人理学療法士は脳卒中患者を受け持つことになる.新人理学療法士が患者の持つ多様な障害像を理解するためには多くの書籍にあたる必要がある.そこで,本書は「新人の理学療法士が臨床現場に臨むために土台となる知識・技術はなにか?」について徹底して内容を吟味・厳選し,まとめあげられていることが最大の特徴である.そのため,新人理学療法士は,本書を通して効率的に短時間のうちに重要なポイントを学習できる.また,理学療法を実施していくには,経験を踏まえた先輩からのアドバイスが不可欠である.本書は,この点も含めて企画された良書である.
内容は,パート1「脳卒中患者を受け持ったらどうするか」では,「PTが知っておくべき神経画像のみかた~症状と画像は関連している」,「多様な病態をどう評価するか」,「治療目標と理学療法プログラムの立て方」,「患者との接し方」について,パート2「ICFから見た理学療法介入のポイント」では,「機能障害に対して」,「活動制限・参加制約に対して」,「わたしはこうしている」についてまとめられている.これらは,シンプルで基本的事項を網羅し,さらに全体を通して実践的マニュアル本ともいえるものである.
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