書評
―嶋田智明,大峯三郎,神先秀人(編)―「実践MOOK 理学療法プラクティス リスク管理 その解釈と統合~積極的な理学療法を目指して」
井上 由里
1
1神戸国際大学リハビリテーション学部
pp.705
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101733
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超高齢化社会への突入と,医療技術の進歩はリハビリテーション医療に大きな変容をもたらした.多様化した対象と要求から理学療法士の専門性がますます脚光を浴びている.その一方,日常の臨床で,その変化に翻弄されながら,急増する新人指導に四苦八苦する理学療法士にはオールマイティーな能力が求められている.
本書の最大の特徴は理学療法士に必要とされるリスク管理を集中治療室から訪問まで日々の臨床場面に即して,オールマイティーに構成されている点である.その魅力はリスク管理を完全マニュアル化していないことである.評価を基に何がおきているか考え,判断する能力を持てるよう導きがある.基本知識の整理と応用への導きを欠かさない反面,重要ポイントは臨床ですぐに活用できるよう簡易的にマニュアル化されている.
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