特集 地域リハビリテーションにおける理学療法
介護老人保健施設における介護予防事業の効果と課題
中村 信義
1,2
,
中島 浩二
1,2
,
斉藤 大輔
1,2
,
菊地 千聖
1,2
,
中澤 好章
1,2
,
加藤 潤一
1,2
Nakamura Nobuyoshi
1,2
1医療法人社団清新会介護老人保健施設ピースプラザリハビリテーション科
2ピースプラザ高齢者在宅サービスセンター
pp.27-37
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101092
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はじめに
2006年の介護保険制度改正により,介護老人保健施設(以下,老健)のリハビリテーション(以下,リハビリ)のあり方は大きく変わった.「リハビリマネジメント」という概念が導入され,個別リハビリに対して発症からの時期に応じた加算が算定可能となり,病院と同じように1単位20分(あるいは40分)という,“コマ”で動くシステムが老健にも持ち込まれた.同時に「介護予防」重視の方向性が前面に打ち出され,新たな介護保険事業として介護予防関連事業(介護予防通所リハビリなど)が新設された.
2007年5月に発表された厚生労働省の調査結果では,2006年10月の段階で介護予防通所事業を行っている事業所数は,介護予防通所介護,介護予防通所リハビリとも介護事業と大きな差はなかった.しかし1か月間の利用者数でみると,介護予防通所事業の利用者数は介護事業に比べてかなり少なく,特に介護予防通所リハビリは12%ほどにとどまっていた1).現在この調査から1年あまりが経過しているが,果たしてこの1年間で老健における介護予防事業は着実に実績を伸ばせているのだろうか.本稿では,老健における介護予防事業の現状とこれまでの実績,および理学療法士(以下,PT)の関わりを紹介し,介護予防の現場で感じている疑問や問題点について述べ,若干の考察を加える.
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