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介護老人保健施設とは
1985年1月24日の社会保障制度審議会の意見書では「重介護を要する老人には,医療面と福祉面のサービスが一体として提供されることが不可欠で,両施設を統合し,それぞれの長所を持ちよった中間施設を検討する必要がある.」とあり,これを受けて同年8月2日の中間施設に関する懇談会による中間報告では「医療施設,福祉施設,家庭との間に存在する課題を解決し,要介護老人に対して通所,短期入所サービス及び入所サービスをきめ細かく実施する中間施設の体系的整備を図っていくことが必要」とされ,「① 入院治療後に家庭・社会復帰のためのリハビリテーション,生活訓練等の実施,② 病院に入院して治療するほどではないが,家庭では十分なケアのできない要介護老人に対し,医学的な管理と看護を中心としたサービスを提供」が発表された.こうした趣旨から1986年12月に老人保健法が改正され,老人保健施設が規定されたのである.つまり,老人保健施設誕生のキーワードとしては,① 重介護を要する老人,② 医療面と福祉面の長所を持ち寄った中間施設,③ 医療施設,福祉施設,家庭との間の課題を解決する,④ 医療施設と家庭との中間的な施設としてリハビリテーションや生活訓練を実施,⑤ 医学的・看護的サービスを提供,ということになろう.その後,1987年2月のモデル施設の指定7か所を経て,1988年4月に老人保健施設が本格稼働することになった.そして1995年12月の介護保険法の成立により,根拠規定が老人保健法から介護保険法に移行し,介護老人保健施設(以下,老健)と呼ばれるようになったのである(表1).
こうした経過からわかるように,老健の本来的意義は「医療と家庭の中間」でもあり「医療と介護」の両面をもち合わせる目的で創設されたものであるから,医療・介護連携は当然の使命であるといえる.
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