特集 実践理学療法のエビデンス
片麻痺者の装具適用効果―実践理学療法のエビデンス
櫻井 愛子
1
Sakurai Aiko
1
1昭和大学保健医療学部理学療法学科
pp.385-391
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100749
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はじめに
現在,日本における脳血管障害の総患者数は147万人1)と言われている.医療の発達により死亡率は低下しているものの2),機能障害により日常生活に介助を要する片麻痺者は多い3).理学療法では,機能改善を目的とした運動療法の一手段,日常生活における歩行の自立と動作介助量の軽減を目的として,短下肢装具(ankle foot orthoses:以下,AFO)を用いることが多い.しかし,AFO使用による効果や適用時期,適否を決定する身体機能との関係について実証されているとは言いがたく,各医療機関の医師や理学療法士,義肢装具士の判断に委ねられているのが現状である.本稿では,AFOが片麻痺者の歩行に及ぼす影響について示した研究を,evidence-based medicine(EBM)の概念に沿って紹介する.またAFOの底屈制動モーメントが片麻痺者の歩行に及ぼす影響について,最新の知見を踏まえて報告する.
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