特集 実践理学療法のエビデンス
物理療法による除痛効果―実践理学療法のエビデンス
篠原 英記
1
Shinohara Hideki
1
1神戸学院大学総合リハビリテーション学部
pp.393-401
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100750
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痛みの治療とエビデンス 痛み,特に急性痛は身体に加わる有害な刺激から身体を守るために必要な情報である.しかし,その反面,痛みは不快な感覚の総称であり,この知覚体験の持続はその人の人生に大いなる苦痛をもたらし,生命にも影響しかねない重要な問題である.そのような痛み治療の第一歩は,痛みの生じる原因と過程を生理学的に知ることであり,次に,その痛みの発生過程に対してどのように対処するかを,理論的に把握することである.理学療法士は,痛みを軽減するための技術としていくつかの物理的方略を有しているが,その応用にあたっては,生理学的根拠(エビデンス)の理解が不可欠である.物理療法の中には,ある程度具体性をもって治療の根拠が示されている場合と,そうでないものとがある.本稿では,疼痛の原因に応じてどの物理療法手段を選択し,どのようにそれを適用していくべきかを,生理学的解釈を入れながら論述する.
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