入門講座 運動療法の基本 ➌
動作指導の基本
内田 成男
1
,
佐藤 純子
1
,
横山 明正
1
,
寺林 大史
1
Uchida Sigeo
1
1慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター 理学療法科
pp.481-489
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100502
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われわれは実に様々な動作を行って生活している.その中で「基本動作」あるいは「起居移動動作」とよばれる動作群は,動作そのものに直接的な目的はないが,他の目的をもった諸活動(食事・排泄・入浴など)に直接結びつく動作群である.これらの動作を獲得するためには個々の動作ごとにアプローチされる場合がほとんどであるが,実際の生活場面ではいくつかの動作が組み合わされて行われることが多い.
さて,リハビリテーションの対象者(患者)ではなんらかの身体機能が障害され,基本動作が困難となる場合が少なくない.したがって,理学療法場面においても治療的アプローチの一つとして,「動作指導」は非常に重要となる.本稿では動作指導の基本的なコンセプトを提示し,ついで基本動作を,①寝返り・起き上がり,②座位,③立ち上がり,④移乗,⑤立位,⑥歩行に便宜的に分類し,それぞれの一般的な指導と留意点について脳卒中片麻痺患者の例を中心に述べていく.
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