Japanese
English
研究と報告
エルゴメーター運動の基礎的研究―駆動形式の違いによる筋活動の変化
A change of muscle activity and activation pattern by a difference of pedalling pattern.
横山 明正
1
,
神谷 晃央
1
,
新野 浩隆
1
,
盧 隆徳
1
,
内田 成男
1
,
牛場 潤一
2
,
正門 由久
1
,
木村 彰男
1
Akimasa Yokoyama
1
,
Akio Kamiya
1
,
Hirotaka Arano
1
,
Takanori Ro
1
,
Shigeo Uchida
1
,
Junichi Ushiba
2
,
Yoshihisa Masakado
1
,
Akio Kimura
1
1慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
2慶應義塾大学理工学部生命情報学科
1Keio University Tsukigase Rehabilitation Center
2Department of Biosciences and Informatics, Faculty of Science and Technology, Keio University
キーワード:
エルゴメーター
,
片脚駆動
,
筋電図
,
筋活動パターン
,
筋活動量
Keyword:
エルゴメーター
,
片脚駆動
,
筋電図
,
筋活動パターン
,
筋活動量
pp.467-471
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100304
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はじめに
エルゴメーター運動は持久力改善や運動負荷試験などに多く使用されているが,近年,脳卒中片麻痺患者をはじめ,中枢神経系疾患に対する治療効果が報告されている1).しかし,一般的に使用されている起立型エルゴメーターは安全性の問題から比較的軽度の障害者に限定されやすく,座位保持に介助が必要なレベルの重症患者には適応しにくい.近年開発されたストレングスエルゴ(R)(三菱電機エンジニアリング社製,以下,S-Ergo)は背もたれ座位や背臥位などの種々の姿勢にて駆動が可能な多機能エルゴメーターであり,起立型エルゴメーターと比べ,座位保持に介助を要する患者にも適応できる.
S-Ergoを使用した基礎的な研究として田中ら2)は,種々の姿勢におけるS-Ergo駆動中の筋活動の変化と歩行時筋活動を比較し,姿勢の変化にかかわらず共通の筋活動パターンが認められ,歩行時の筋活動パターンと類似性があることを明らかにしている.また,Fujiwaraら3)は,脳卒中患者に対してS-Ergoを用いた結果,主動筋と拮抗筋の病的な同時収縮が改善し,正常に近い相反的な筋活動が得られたと報告している.しかし,脳卒中などの中枢神経系疾患に対してS-Ergoを使用し,効果的なトレーニングプロトコルを検討した基礎的研究は見受けられない.そこでわれわれは,S-Ergoの駆動条件(駆動速度・膝関節角度・ピッチ音の取り方)の違いによる下肢筋活動の変化について健常者を対象として検討を重ねてきた4-6).
今回は同様に基礎的研究として,駆動形式の違いが,下肢筋活動および筋活動量に与える影響について比較検討したので報告する.
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