理学療法臨床のコツ・10
基本動作練習のコツ―ADL指導のコツ②
下元 佳子
1,2
Yoshiko Shimomoto
1,2
1生き活きサポートセンターうぇるぱ高知
2訪問看護ステーションおたすけまん
pp.892-893
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101777
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理学療法士に求められる役割は,機能・形態障害に対して身体機能や疼痛・循環などの改善を図ることから,日常生活・社会生活を送るうえでの動作の改善から福祉用具の選定や住宅改修・環境調整まで幅が広い.中でも質の高い日常生活を組み立てることは,介護保険の導入やICFの影響から,ますます,私たち理学療法士の役割として他職種から求められることが多くなっていると実感している.
「ADL指導をどのように行えばよいか? 指導のコツは?」.回復期病棟や介護保険分野で仕事をしている理学療法士なら一度ならず悩むことである.それぞれのケースが個々に異なる問題を抱えており,指導をうまく行うにはたくさんの要素を考慮することが必要で,ADLの練習方法や指導をマニュアル化することは難しい.対象者の生活場面となる環境を考慮したADLを組み立てることが必要であり,福祉用具の使用や住宅改修も必要となってくる.人に接する基本のコミュニケーション力が必要なのはもちろんであるが,今回は特に動作にこだわって考えてみたい.
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