入門講座 訪問リハビリテーション・4
訪問リハビリテーションにおける住宅改造―工夫と指導のポイント
田村 茂
1
Tamura Shigeru
1
1地域リハビリ支援室・タムラ
pp.707-711
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100151
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従来,患者さんが病院を退院する際は,事前に私たちリハビリ担当者が主導的に住宅評価のために現地に赴き,本人,家族,そして改修施工業者と協議したうえで住宅改修を進めてきた.介護保険制度施行後,私たちが主導的に関わることは少なくなり,介護支援専門員を介して,あるいは介護支援専門員にこちらの意向を伝えて協力する形が多くなってきた.とは言え,本人の立場に立った指導やアドバイスが必要とされる.本稿では,実際に訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)に関わる,関わらないに限らず,筆者が訪問看護ステーションで理学療法士として協力する中での経験を通じて気づいたことを紹介したい.
住宅改修における評価
住宅改修の必要性の有無は,大きく捉えると,生活するうえで本人と住環境との間で不都合があるかどうかである.したがって,評価すべきは本人のADL能力等と住環境との関係といえる.つまり図1のように本人は今,どんな生活をしているのか(ADLチェック),本人はどんな生活を望んでいるのかを確認する.ただし,これについては多くの方は本音を言わないことを理解したうえで対応することが必要である.また近い将来,現状の生活はどうなるか,何も働きかけないときと住宅改修を含むなんらかの支援をしたときの両者を想定する.これらに応える評価が求められる.
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