講座 病態運動学―変形・拘縮とADL・5
Duchenne型筋ジストロフィーの変形・拘縮とADL障害
三浦 利彦
1
,
長門 五城
1
,
田中 栄一
1
,
石川 悠加
2
,
成田 寛志
3
Miura Toshihiko
1
1独立行政法人国立病院機構八雲病院リハビリテーション室
2独立行政法人国立病院機構八雲病院小児科
3青森県立保健福祉大学理学療法学科
pp.713-719
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100152
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筋ジストロフィーとは「筋線維の変性・壊死を主病変とし,臨床的には進行性の筋力低下をみる遺伝性疾患」と定義されている.近年の分子生物学的研究の進歩により,多くの原因遺伝子が同定され,これに基づいた分類が行われるようになった.なかでもDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)は最も頻度が高く(男子出生3,000人に1人)重症であるが,現在のところ根本治療には至っていない.
しかし,人工呼吸療法の進歩により,1999年10月から2001年10月の国立病院機構筋萎縮症病棟における73名の死亡年齢は27.2±6.7歳となり,“20歳まで生きない疾患”ではなくなってきた.特に非侵襲的換気療法(noninvasive possitive pressure ventilation:NPPV)の普及(2001年現在で,筋萎縮症病棟が介入した在宅人工呼吸患者はNPPV 241名,気管切開による人工呼吸管理65名1))により,生命予後が改善されただけでなく,それまでの活動性をできるだけ維持し,在宅生活を選択する患者も増加してきている2,3).
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