基礎から応用へ
ハンチ反応とホルムアルデヒドの定量
坂岸 良克
1
1埼玉医大生化学
pp.28-31
発行日 1974年11月1日
Published Date 1974/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200614
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エタノール(酒)中にメタノールが含まれているかどうかは白金を触媒として酸化し,ホルムアルデヒドが生じるかどうかによって確かめられる.しかし,生体中にホルムアルデヒドのような劇物がそのままの形で成分として存在することは考えられない.では臨床化学の分析法とホルムアルデヒドは全く縁もゆかりもないものかと思うとそうではないのである,
トリグリセライド,血糖の分析法ではしばしばホルマリンの生成反応が組み込まれているし,最近では尿酸の定量法にこのホルマリン生成反応が利用されている.そしてこのホルマリンの定量はクロモトロープ酸法によって十分な感度で行えるのであるが,硫酸を使うこの方法よりはるかに安全な方法がなんと前世紀後半にくふうされていたのである,これがハンチ(Hantzsch)反応であって,A.Hantzschによって発表されたこの方法は意外に各種定量法に応用することができる.
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