連載 暮らしに潜む環境問題
室内空気汚染(ホルムアルデヒド)
東京都・特別区環境衛生職員研究会技術部会
pp.918-920
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901805
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一日の生活時間のうち,多くの時間を過ごす「住まい」は生活の基盤である.従来,この「住まい」の空気を汚すものとしては,暖房器具などから発生する一酸化炭素や窒素酸化物が問題となっていた.最近はそれらに加えて,建築材料などに使用されている化学物質が注目され,「シックハウス症候群」や本誌2月号で紹介された「化学物質過敏症」ということばも聞かれるようになった.
今回取り上げるホルムアルデヒドは,社会問題にもなった光化学スモッグの反応生成物の一つで,たばこや燃焼物中に含まれている.また,たん白質凝固作用や酵素活性阻害作用を利用して殺菌剤に利用されている.石油ショック以降,省エネルギー対策で高度に気密化したビルや「住まい」で,この物質が頭痛や目,のどの痛み,疲労感や不眠症に悩まされるという問題を起こしている.
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