技術講座 遺伝子
病理標本を用いたDNAシークエンスの方法と実際
北澤 荘平
1
,
近藤 武史
2,3
,
中川 みく
1
,
藤石 琴
1
,
原口 竜摩
1
,
北澤 理子
1,2
1愛媛大学大学院医学系研究科分子病理学分野
2神戸大学大学院医学研究科分子病理診断学分野
3神戸大学大学院医学研究科法医学分野
pp.24-29
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103411
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新しい知見
20世紀後半に30億ドルをかけたヒトゲノムプロジェクトが終了し,現在,「1,000ドルゲノムプロジェクト」が順調に進行している.これは,より速く,より安く,より高精度に解析できる次世代型のシークエンサーが汎用化され,30億塩基対にも及ぶヒトの全ゲノムを,個人レベルで支払い可能な金額で解析するという試みである1).1953年のワトソン,クリックなどによるDNA2重螺旋構造の報告以来,急速に分子生物学が発展し,ついに一般の病院検査室レベルでDNAのシークエンス,塩基配列検査が実用化する時代の到来が近いことを意味している.このような時代を迎えた今,病理標本を用いたDNAシークエンスも,診断,治療の適応,個体識別などさまざまな応用が期待されている.
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