技術講座 病理
染色骨髄液塗抹標本を用いたDNA抽出と微小残存病変検索への臨床応用
宮西 節子
1
1(財)天理よろづ相談所医学研究所
pp.715-718
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100081
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新しい知見
染色後数年間保存された骨髄液塗抹標本からDNAを抽出した報告は極めて少ないので,基礎的検討を行いさらに微小残存病変の検出に臨床応用した.
塗抹標本は細胞溶解液で塗抹部分を剥離し,プロテイナーゼK消化後,フェノール/クロロホルム法で精製した.標本1枚からの抽出量は5.4±3.26μg(平均±SD)で,PCR法によるβ-グロビン遺伝子の増幅可能なサイズは,3年間保存した塗抹標本では4/5例で536bp,4~5年間保存では1/5例で268bpを増幅することができた.目的とする遺伝子の増幅サイズを考えたプライマーを設計することにより,微小残存病変(minimal residual disease,MRD)検出をはじめとする多様な遺伝子検査に応用することができる.
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