今月の主題 膵疾患と臨床検査
解説
膵関連酵素・2 プロリールヒドロキシラーゼ
馬場 忠雄
1
,
藤井 要
1
Tadao BAMBA
1
,
Kaname FUJII
1
1滋賀医科大学第二内科学教室
キーワード:
プロリールヒドロキシラーゼ
,
immunoreactive prolylhydroxylase
,
膵線維化
,
純粋膵液
,
コラーゲン代謝
Keyword:
プロリールヒドロキシラーゼ
,
immunoreactive prolylhydroxylase
,
膵線維化
,
純粋膵液
,
コラーゲン代謝
pp.1051-1054
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916860
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最近コラーゲン合成系のkey enzymeの1つであるプロリールヒドロキシラーゼ(prolyl hydroxylase;PH)に対するモノクローナル抗体を用いた免疫学的測定法が確立され,血清immunoreactive prolyl hydroxylase β-subunit(IR-BPH)量が肝疾患の病態と診断に応用されつつある.IR-BPHの測定はEIA法としてキット化(パナッセイ-PH FYK,富士薬品工業)され利用されている.そこで膵の線維化をコラーゲン合成系からアプローチする目的で,IR-BPH測定キットを用いて膵液中IR-BPHを測定し,膵の線維化と膵液中IR-BPH量との関係について,臨床的検討を行った.その結果,ヒト純粋膵液中IR-BPH量は,非石灰化慢性膵炎群ではコントロール群および石灰化慢性膵炎群に比べ有意に上昇していたが,石灰化慢性膵炎群ではほぼ正常群と同じであった.膵液中IR-BPH量が膵の線維化の1つの指標となりうることが示唆された.
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