Japanese
English
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅲ.代謝的に作用する薬物
酵素活性に影響する薬物
ヒスチジンデカルボキシラーゼ
Histidine decarboxylase
大石 了三
1
Ryozo Oishi
1
1岡山大学医学部薬理学教室
pp.475-476
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900262
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
「概説」
EC 4.1.1.22。
ヒスチジンからヒスタミンを合成する酵素で,微生物から植物,動物組織にいたるまで広く分布する。基質特異性が非常に高い。ピリドキサルリン酸(PLP)を補酵素として含むが,微生物の酵素の中にはピルビン酸が補酵素として働き,PLPを必要としないものがある。いろいろな組織から精製されたヒスチジンデカルボキシラーゼはヒスチジン濃度が上昇すると至適pHが酸性に移動し(pH7.2→6.6),それに伴ってKmおよびVmax値は上昇する1)。
ラット胎児肝から精製されたものは分子量54,000サブユニットのdimerである2)。クローニングされたヒスチジンデカルボキシラーゼ遺伝子がコードするタンパク質は655個のアミノ酸残基からなり,分子量73,450である。これは翻訳後プロセッシングを受けてヒスチジンデカルボキシラーゼサブユニットになるものと考えられる3)。
Copyright © 1991, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.