研究
セルローズ・アセテート電気泳動による血清タンパク分画定量法の検討とキップ社製濃度計の使用経験
藤永 彦一
1
1公立学校共済組合北陸中央病院検査部
pp.85-89
発行日 1970年1月15日
Published Date 1970/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906676
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はじめに
日常の検査において1台しかない測定器が故障した場合,非常に迷惑するので,理想的には2台備えていることが望ましいが,血清タンパク分画測定に用いる濃度計はやっかいなことに,そのメーカーが違えば定量値もそれぞれ違うことが多く,さらにややもすると同一のメーカーの器械でもその製品によって異なった結果が得られることが多いといわれており,そのうえ濃度計を使用する直接法と,比色計を使用する抽出法との結果がまた互いに相違することが多いので苦慮していた.そこで超高感度記録計やガルバノメーターで定評のあるオランダ・キップ社の濃度計の入手を機会に種々検討の結果,キップ社ならびにすでに持っていた萱垣社の濃度計を使用した直接法と,日立101型分光光度計を使用した抽出法との3者の成績がそれぞれ非常によく一致したので,あわせて血清タンパク分画の正常値ならびにその成績管理に備えて,保存血清の経時変化についても観察したので報告する.
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