研究
セルローズアセテート(OXOID)による血清タンパク分画電気泳動の検討
阿南 功一
1
,
宮城 芳得
2
ANAN KOICHI
1
,
MIYAGI YOSHIE
2
1東京医科歯科大学医学部生化学教室
2日赤中央病院中央検査部生化学
pp.839-843
発行日 1963年11月15日
Published Date 1963/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917004
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序論
濾紙電気泳動法による血清タンパク分画の定量は日常多忙なる検査室においてはチゼリウス法に代わって近時ますます広く行なわれるようになった。濾紙泳動条件,染色法,タンパク濃度測定法による分画値の変動が大きく,ためにわが国でも先年電気泳動学会において種々検討の末,一応標準操作法1)が採用された。
一方1957年英国のT.Kohn2)によってアセチル化した濾紙(セルローズアセテート)によるタンパクの電気泳動研究が紹介された。これを用いると血清タンパク分画の分離が非常によいこと,およびセルローズアセテート自身の屈折率がD251.474〜1.475で綿実油や流動パラフィンに近く,これらに浸漬することによってバックグラウンドをほぼ透明化し得るので,セルローズアセテート紙片上に染色されたタンパク分画帯を容易にデンシトメトリーで測定し得る。
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