Japanese
English
今月の特集1 骨髄不全症の病態と検査
発作性夜間ヘモグロビン尿症
Paroxysmal nocturnal hemoglobinuria
村上 良子
1
1大阪大学微生物病研究所籔本難病解明寄附研究部門
キーワード:
PIGA
,
PIGT
,
体細胞突然変異
,
グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー型蛋白質
,
GPIアンカー型蛋白質
,
補体制御因子
,
フリーGPI
Keyword:
PIGA
,
PIGT
,
体細胞突然変異
,
グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー型蛋白質
,
GPIアンカー型蛋白質
,
補体制御因子
,
フリーGPI
pp.748-755
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202406
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Point
●発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は1個あるいは数個の造血幹細胞のPIGA遺伝子の変異によりグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)欠損細胞となり,その異常細胞が増加することによって発症するが,その拡大メカニズムは完全には解明されていない.
●PIGAはGPI生合成に必須の遺伝子で,その変異によりPNH赤血球ではGPIアンカー型蛋白質である補体制御因子が欠損しており補体活性化を制御できず,溶血をきたす.
●最近,27個のGPI生合成遺伝子のうち21の遺伝子の変異による劣性遺伝形式の先天性GPI欠損症(IGD)がみつかり,知能低下やてんかんなどの神経症状を主症状とする.
●1つのアレルの遺伝的なPIGT変異に加えて,造血幹細胞においてもう片方のアレルのPIGTを含む領域が欠損して発症したPNH症例は溶血以外に自己炎症症状をきたしていた.
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