今月の主題 動脈硬化とリポ蛋白
コレステロールエステル転送蛋白
コレステロールエステル転送蛋白
山下 静也
1
,
松澤 佑次
1
Shizuya YAMASHITA
1
,
Yuji MATSUZAWA
1
1大阪大学医学部第二内科
キーワード:
CETP
,
コレステロール逆転送系
,
高比重リポ蛋白
,
動脈硬化
,
高HDL血症
Keyword:
CETP
,
コレステロール逆転送系
,
高比重リポ蛋白
,
動脈硬化
,
高HDL血症
pp.1043-1049
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903018
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
動脈硬化性疾患の患者では高比重リポ蛋白(HDL)分画のコレステロール値が低下し,遺伝性の低HDL血症症例において著明な動脈硬化が観察されることから,HDLは抗動脈硬化作用を有するリポ蛋白と考えられている.コレステロールエステル転送蛋白(CETP)はHDLの中に含まれるコレステロールエステルを超低比重リポ蛋白(VLDL)や低比重リポ蛋白(LDL)などのアポB含有リポ蛋白へと転送する蛋白であり,その遺伝的な欠損により著しい高HDL―コレステロール血症を生じる.本稿ではCETPに関する最近の知見について述べ,筆者らが明らかにしたCETP欠損症におけるリポ蛋白代謝異常や遺伝子異常,動脈硬化との関連についても紹介する.また,CETP活性は種々の病態で変動するがその変動因子についても言及した.〔臨床検査40:1043-1049,1996〕
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.