Japanese
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今月の特集1 脂質異常症の遺伝背景
わが国の高HDLコレステロール血症の遺伝的基盤としてのCETP欠損症
Genetic deficiency of cholesteryl ester transfer protein as a major cause of marked hyper-HDL-cholesterolemia in Japan
平野 賢一
1
1大阪大学大学院医学系研究科中性脂肪学共同研究講座
キーワード:
高HDL-C血症
,
コレステリルエステル転送タンパク
,
CETP
,
CETP欠損症
,
動脈硬化
,
臨床検査
Keyword:
高HDL-C血症
,
コレステリルエステル転送タンパク
,
CETP
,
CETP欠損症
,
動脈硬化
,
臨床検査
pp.861-866
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690080861
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Point
●臨床検査では,血清1dLに存在する高比重リポタンパク(HDL)粒子に含まれるコレステロール量を“HDLコレステロール(HDL-C)値”として測定している.
●これまでのわが国における疫学的研究により,著明な高HDL-C血症(100mg/dL以上)は,正常HDL-C群と比べて冠動脈疾患死,虚血性脳卒中死が多いと報告されている.
●コレステリルエステル転送タンパク(CETP)は,HDL粒子中のコレステロールエステルをアポリポタンパクB含有リポタンパクに転送することでHDL-C値を規定する.
●著明な高HDL-C血症(100mg/dL以上)の原因は多様であるが,最も頻度が高いのは常染色体性優性遺伝形式をとる遺伝的CETP欠損症である.

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