特集 原発性脂質異常症:疾患概念の整理と最近の進歩
原発性高脂血症 原発性高HDLコレステロール血症と動脈硬化
大濵 透
1
1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学助教
キーワード:
HDL
,
CETP
,
HL
,
動脈硬化
Keyword:
HDL
,
CETP
,
HL
,
動脈硬化
pp.41-45
発行日 2015年8月20日
Published Date 2015/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.33.08_0041-0045
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「はじめに」多くの疫学研究により,血中HDL-C濃度と冠動脈疾患発症の間には逆相関があることが知られている。しかし,近年,高HDL-C血症であるというだけで,動脈硬化に対して抑制的であるとは必ずしもいえないことがわかってきた。本稿では,わが国における原発性高HDL-C血症として最も多いとされるCETP(cholesteryl ester transfer protein)欠損症や,まれではあるがHL(肝性リパーゼ)欠損症と動脈硬化について概説するとともに,最近のHDLについての話題にふれる。「Ⅰ.HDLの代謝と生理的機能」HDLの主要な役割として,末梢組織から余剰コレステロールを引き抜き,肝臓に転送して,異化するという,コレステロール逆転送(図)1)がある。「KEY WORDS」HDL,CETP,HL,動脈硬化
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